紙の車庫証明を使ったOSS申請を考察【車庫だけの申請は不可】

この記事の信頼性

【著者】

・行政書士事務所役員/実務経験5年以上

・スタートアップ向けのWEBマーケティングの支援業務や広告運用を行う会社を経営

・自動車登録OSS申請促進を目的としたセミナー講師(行政書士会主催)

・管轄運輸支局内での登録相談窓口業務

・自動車登録・整備システムソフトウェア会社への顧問業務

車庫証明の申請だけをOSSでやりたい

自動車登録業務に携わる行政書士であれば、誰もが望むこと。

残念ながらその野望はいまだ実現されそうにありません。

 

しかしながら、紙の保管場所を使ったOSS申請は令和5年10月~開始されています。

自動車登録業務に精通している行政書士の間では、紙車庫を使ったOSS申請は、車庫証明の申請だけをOSSでやるための段階的な措置ではないかとの声もあります。

ですので、このテーマについては引き続きアンテナを張っていかなくてはなりません。

 

さて、本記事では、紙の車庫証明を使ったOSS申請を題材とした内容をお届けします。

実務にどのような影響があるかを解説していきます。

AINASでは紙車庫を使ったOSS申請に対応していません。

目次

紙の車庫証明を使った場合のOSS申請の流れ

OSSの一連の流れの中で「車庫審査フェーズ」がスキップされる

紙の車庫証明を使うということは、既に車庫審査を済ませて車庫の手続きが完了している状態にあります。

それをOSS申請に載せるので、車庫審査フェーズがスキップされるということは、当然といえば当然です。

本来であれば、車庫と登録を1件のデータとして作るのですが、それの例外ともいえるケースが紙の車庫証明を使う申請となります。

管理人
仕組みが分かったところで、次は実運用に乗せてどうかというお話です

紙で取得した車庫証明を用いたOSS申請のメリット

登録書類が集まる前に車庫申請をスタートさせ、登録書類が揃った時点ですぐに登録申請を行える

ようは、紙の申請と同じ要領でOSS申請が出来るということです。

 

上の画像は車の仕入れを行う車屋さんを例にしたものですが、オークションで車を買い付ける際、基本的には車の諸元情報が分かった時点で、先に車庫申請だけを進めておきます。

その後、登録書類が届き次第、交付された車庫証明と合わせて登録をするという流れです。

通常のOSS申請であれば、登録書類が揃ってからスタートするため、登録までに日数がかかります。

しかしながら、車庫申請だけを紙で進めることで、登録までの日数を短縮する狙いで動けるというわけです。

 

それなら、わざわざOSS申請に乗せずに紙でやってしまった方が良いのでは?と疑問を持たれるかと思いますが、まさしくその通り。

しかしそれでは元も子もないので、それでもわざわざOSS申請に乗せるメリットを見出すとします。

①他にOSS申請で進めている案件がある

申請中の案件がこの1件だけであれば、わざわざOSS申請に乗せる必要がないように思いますが、他のOSS申請案件があるとするならば、効率という点で無視できなくなります。

OSSでは、「まとめ納付」といって他の案件と合わせて支払いを済ませることが可能です。

もし今、他に進行中のOSS申請案件あるならば、足並みを揃えるのは場合によってはありでしょう。

②印紙・現金の持ち運びが不要

まとめ納付に関係してきますが、OSS申請のメリットとして印紙・現金を持たずにネットバンキングで支払いを済ませることが挙げられます。

支局でこれらの購入の手間を省きたいのであれば、OSS申請をする意味を見出せます。

しかしながら、ナンバーの購入はいまだ現金のみという標板交付代行者も多いので、ナンバーが変わる登録の場合は少しメリットが減ってしまいます。

結論|紙の車庫を使ったOSS申請でメリットを享受できるケースは少ない

最終的な結論としては、「メリット感じない」です。

私自身、紙車庫を使ったOSS申請が解禁された時は試しに何度かやってみましたが、試し運用のまま終了となりました。

現状のOSS申請の最大のメリットが、「車庫申請を警察署に行かずに行える」点にあると感じているため、そこを紙で取得するなら、登録も紙でやってしまった方が余計なことを考えずに済みます。

是非ともこの記事を読んだ方で、紙車庫を使ったOSS申請で良かった点があればコメントで教えてください。

よろしくお願いいたします。

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